柳秀直特命全権大使 ご挨拶
令和2年1月6日

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。本年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され,ヨルダン・チームのホストタウンとして秋田県能代市が決まっています。能代市の皆さんに感謝しつつ,ヨルダン・チームの東京での活躍を祈念しております。
さて,昨年秋から年末にかけての出来事についてご報告します。
1.即位の礼
この期間の最大の出来事はなんと言っても10月22日の天皇陛下の即位の礼で,ヨルダンからはフセイン皇太子にアブドッラー国王の名代としてご出席頂き,安倍総理,河野防衛大臣との会談も行われました。なお,これに先立つ9月23日にニューヨークの国連総会の機会に,安倍総理はアブドッラー国王と夕食をとりつつ首脳会談を開催しています。
2.その他の要人往来
この時期の要人往来としては,11月後半にタラーウネ下院議長一行が大島衆議院議長一行の招待により訪日され,総理,衆参両議長等にお会いになられました。その後,京都でも好天に恵まれ,紅葉を楽しまれたと言うことです。日本からは12月15日に河野防衛大臣がヨルダンを訪問され,国王に表敬されたほか,サファディ外相,フネイティ統合参謀本部議長と会談されました。日本の防衛大臣のヨルダン訪問は初めてですが,河野大臣の閣僚としてのヨルダン訪問は,2016年7月の国家公安委員長の時,4度の外相としての訪日を併せると,6回目となります。河野大臣は、日本から退役した61式戦車が貸与されている戦車博物館も訪問されましたが、私はそれに先立って11月13日に同博物館を訪問し、61式戦車展示の除幕式に参加しました。
さらに,12月22日には鈴木馨祐外務副大臣が訪問され,サファディ外相,ラバディ計画・国際協力相と会談され,また,アンマン市内のUNRWAワハダード難民キャンプ(ANC)を視察されました。
3.ジャアファル・ハッサン元副首相の叙勲
11月3日,ジャアファル・ハッサン元副首相(元王宮府国王室長,元計画・国際協力相)は,長年の対日関係の功績を讃えられて,旭日重光章を受章されました。同元副首相は訪日され,11月7日に安倍総理から叙勲されると共に,他の受章者と共に,天皇陛下に拝謁する機会を得ました。
4.私の要人表敬
私自身の要人への表敬としては,7月に軍の統合参謀本部議長が異動になったので,9月11日にユーセフ・フネイティ議長(前空軍司令官)を表敬し,26日にはネグレシュ空軍司令官も表敬しました。また,11月初めの内閣改造を踏まえて,21日にアダーイレ情報担当大臣を,24日にラバディ計画・国際協力相を,そして25日にはゴーシェ行政機関開発担当大臣を表敬いたしました。
5.開発援助関連
援助関係の式典としては,国際機関関係では,12月1日にマフラックでUNIDO(国連工業機関)の「ヨルダン北部における雇用促進による経済的レジリエンス強化および社会安定化支援」という我が国が20万ドル支援したプロジェクトの中で,労働省と服飾デザイン職業訓練校との協力により行われた服飾の職業訓練コースの修了式に出席し,また,9日にはアンマンでUNODC(国連薬物犯罪事務所)とPSD(警察)共催の「テロリストおよび暴力過激主義的グループによる児童の勧誘および搾取」に関するワークショップに出席し(我が国からUNODCに90万ドルを支援),それぞれ挨拶を述べました。UNODCのワークショップはヨルダンのみならず,レバノン,イラク,パレスチナからの出席者の参加も得た地域的な広がりを持ったものです。
また,二国間援助では,12月5日にバルカ県ディルアラ地区(ヨルダンバレーの中部)において,2014年度,2017年度の一般無償案件である「バルカ県送配水網改修計画」(計約36億円)の完工式に,アブルサウード水灌漑相,馬場大日本土木社長,宮原JICAヨルダン事務所代表等と共に出席し,挨拶を行いました。当日は地元出身の国会議員や農民の方が私に対し,感謝の言葉を繰り返し述べてくれました。
また,12月9日には,当地在住の国際機関邦人職員約30名のうち21名の出席を得て,連絡協議会を開催し,各国際機関の間で情報交換を行うと共に,当館から治安上の注意などについても説明しました。
6.文化交流等
文化交流関連では,10月5日に,例年アル・フセイン・ユースシティでバスマ王女が会長を務めるマバッラト・ウンム・アル・フセイン財団が行っている外交団バザーに参加し、当館は太巻きと抹茶ケーキ、緑茶を販売し、収益を財団に寄付しました。
10月26日、27日は国際交流基金カイロ事務所から飯尾日本語教育アドバイザーに出張して頂き、ヨルダン大学とハシミテ大学で日本語を教える先生方に、日本語教育について助言してもらいましたが、その機会に日本語教育関係者に集まって議論して頂く機会を作りました。
11月3日、4日には、日本からお見えになった山口和加子先生が、サポート役のご主人の山口修司氏と共に和装にて、アンマン市フセイン文化センターにおいて茶道と書道のデモンストレーションを行い、2日間で約80名が参加してくれました。
12月2日には当地生け花各流派の合同会が、日本から来訪された小山田穂漿(ほづき)小原流研究院講師の出席の下に開催され、シュウェイカ観光・遺跡大臣、タラーウネ下院議長夫人を含む約100名の方が出席されました。いずれの行事にも私が家内とともに出席しました。
7.領事関係
在留邦人の皆様との関係では、9月27日に恒例の日本人会運動会が開催されました。また、11月11日には大使館において、日本から出張された古宮日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部副部長による「感染症に関する健康安全講話」が行われ、約30名の邦人の方が出席されました。
8.安全
ヨルダンにおける治安状況が目に見えて悪くなったということはありませんが,経済状況が苦しい中,一般犯罪がやや増加している印象があります。
また,11月6日にはジェラシュのローマ遺跡の敷地内で,外国人観光客が切りつけられる事件が起きました。幸い,被害者は命に別状はありませんでしたが,観光地においてもこのような事件が起きることがあるので,日頃から周囲の状況には十分注意願います。
また,冬場は雨,雪によって思わぬ災害が発生する可能性もありますので,日頃から天気予報にも十分注意して下さい。
駐ヨルダン特命全権大使 柳 秀直
<過去のご挨拶>
さて,昨年秋から年末にかけての出来事についてご報告します。
1.即位の礼
この期間の最大の出来事はなんと言っても10月22日の天皇陛下の即位の礼で,ヨルダンからはフセイン皇太子にアブドッラー国王の名代としてご出席頂き,安倍総理,河野防衛大臣との会談も行われました。なお,これに先立つ9月23日にニューヨークの国連総会の機会に,安倍総理はアブドッラー国王と夕食をとりつつ首脳会談を開催しています。
2.その他の要人往来
この時期の要人往来としては,11月後半にタラーウネ下院議長一行が大島衆議院議長一行の招待により訪日され,総理,衆参両議長等にお会いになられました。その後,京都でも好天に恵まれ,紅葉を楽しまれたと言うことです。日本からは12月15日に河野防衛大臣がヨルダンを訪問され,国王に表敬されたほか,サファディ外相,フネイティ統合参謀本部議長と会談されました。日本の防衛大臣のヨルダン訪問は初めてですが,河野大臣の閣僚としてのヨルダン訪問は,2016年7月の国家公安委員長の時,4度の外相としての訪日を併せると,6回目となります。河野大臣は、日本から退役した61式戦車が貸与されている戦車博物館も訪問されましたが、私はそれに先立って11月13日に同博物館を訪問し、61式戦車展示の除幕式に参加しました。
さらに,12月22日には鈴木馨祐外務副大臣が訪問され,サファディ外相,ラバディ計画・国際協力相と会談され,また,アンマン市内のUNRWAワハダード難民キャンプ(ANC)を視察されました。
3.ジャアファル・ハッサン元副首相の叙勲
11月3日,ジャアファル・ハッサン元副首相(元王宮府国王室長,元計画・国際協力相)は,長年の対日関係の功績を讃えられて,旭日重光章を受章されました。同元副首相は訪日され,11月7日に安倍総理から叙勲されると共に,他の受章者と共に,天皇陛下に拝謁する機会を得ました。
4.私の要人表敬
私自身の要人への表敬としては,7月に軍の統合参謀本部議長が異動になったので,9月11日にユーセフ・フネイティ議長(前空軍司令官)を表敬し,26日にはネグレシュ空軍司令官も表敬しました。また,11月初めの内閣改造を踏まえて,21日にアダーイレ情報担当大臣を,24日にラバディ計画・国際協力相を,そして25日にはゴーシェ行政機関開発担当大臣を表敬いたしました。
5.開発援助関連
援助関係の式典としては,国際機関関係では,12月1日にマフラックでUNIDO(国連工業機関)の「ヨルダン北部における雇用促進による経済的レジリエンス強化および社会安定化支援」という我が国が20万ドル支援したプロジェクトの中で,労働省と服飾デザイン職業訓練校との協力により行われた服飾の職業訓練コースの修了式に出席し,また,9日にはアンマンでUNODC(国連薬物犯罪事務所)とPSD(警察)共催の「テロリストおよび暴力過激主義的グループによる児童の勧誘および搾取」に関するワークショップに出席し(我が国からUNODCに90万ドルを支援),それぞれ挨拶を述べました。UNODCのワークショップはヨルダンのみならず,レバノン,イラク,パレスチナからの出席者の参加も得た地域的な広がりを持ったものです。
また,二国間援助では,12月5日にバルカ県ディルアラ地区(ヨルダンバレーの中部)において,2014年度,2017年度の一般無償案件である「バルカ県送配水網改修計画」(計約36億円)の完工式に,アブルサウード水灌漑相,馬場大日本土木社長,宮原JICAヨルダン事務所代表等と共に出席し,挨拶を行いました。当日は地元出身の国会議員や農民の方が私に対し,感謝の言葉を繰り返し述べてくれました。
また,12月9日には,当地在住の国際機関邦人職員約30名のうち21名の出席を得て,連絡協議会を開催し,各国際機関の間で情報交換を行うと共に,当館から治安上の注意などについても説明しました。
6.文化交流等
文化交流関連では,10月5日に,例年アル・フセイン・ユースシティでバスマ王女が会長を務めるマバッラト・ウンム・アル・フセイン財団が行っている外交団バザーに参加し、当館は太巻きと抹茶ケーキ、緑茶を販売し、収益を財団に寄付しました。
10月26日、27日は国際交流基金カイロ事務所から飯尾日本語教育アドバイザーに出張して頂き、ヨルダン大学とハシミテ大学で日本語を教える先生方に、日本語教育について助言してもらいましたが、その機会に日本語教育関係者に集まって議論して頂く機会を作りました。
11月3日、4日には、日本からお見えになった山口和加子先生が、サポート役のご主人の山口修司氏と共に和装にて、アンマン市フセイン文化センターにおいて茶道と書道のデモンストレーションを行い、2日間で約80名が参加してくれました。
12月2日には当地生け花各流派の合同会が、日本から来訪された小山田穂漿(ほづき)小原流研究院講師の出席の下に開催され、シュウェイカ観光・遺跡大臣、タラーウネ下院議長夫人を含む約100名の方が出席されました。いずれの行事にも私が家内とともに出席しました。
7.領事関係
在留邦人の皆様との関係では、9月27日に恒例の日本人会運動会が開催されました。また、11月11日には大使館において、日本から出張された古宮日本赤十字社和歌山医療センター感染症内科部副部長による「感染症に関する健康安全講話」が行われ、約30名の邦人の方が出席されました。
8.安全
ヨルダンにおける治安状況が目に見えて悪くなったということはありませんが,経済状況が苦しい中,一般犯罪がやや増加している印象があります。
また,11月6日にはジェラシュのローマ遺跡の敷地内で,外国人観光客が切りつけられる事件が起きました。幸い,被害者は命に別状はありませんでしたが,観光地においてもこのような事件が起きることがあるので,日頃から周囲の状況には十分注意願います。
また,冬場は雨,雪によって思わぬ災害が発生する可能性もありますので,日頃から天気予報にも十分注意して下さい。
駐ヨルダン特命全権大使 柳 秀直
<過去のご挨拶>



