嶋﨑郁特命全権大使 ご挨拶

2021/1/1
嶋﨑大使
  新年おめでとうございます。1年余り前に始まったコロナ禍が、2020年中に全世界に広がり、1年前とは全く異なる新年を迎えました。9月までは国際商業便も運航されていなかったヨルダンでも、現在では隔離措置や事前の検査等を遵守さえすれば国境をまたぐ移動が可能となりましたが、日本への一時帰国やヨルダンへの再入国には不便も多く、新年を不安な中で過ごされている方も多いのではないかと思います。
 
 ヨルダンでは、9月頃までは約2千件程度であった累計感染者数が、10月末時点で約7万件、11月末には約22万件まで一気に増加しました。この急増傾向を受け、10月30日には、日本政府による感染症危険情報のレベルが2から3へ引き上げられました。これにより、本邦到着時には、自主隔離及び公共交通機関の不使用の要請に加え、抗原検査の受検が必須となりました。12月に入ってからも、2~3千件程度の新規感染は依然として続いています。
 
 そうした中で、当館では、ヨルダン国内の感染状況や政府規制の詳細につき、領事メールを通じて、適時・的確な情報提供に努めて参りました。感染状況の今後の推移を楽観視することはできず、また、今後も規制には変更が加えられる見込みですので、引き続き大使館として情報提供を継続して参る所存です。在留邦人の皆様におかれましては、感染防止措置の遵守と個人による感染予防の対策を十分に心がけていただきたいと思います。なお、現在のヨルダン政府による感染拡大防止措置、そして新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、当館主催で例年1月に開催していた皆様との新年賀詞交換会、そして2月の天皇誕生日レセプションは、本年は、誠に残念ながら開催を見合わせざるを得ない状況ですので、お知らせ申し上げます。
 
 なお、邦人の安全という点では、治安情勢にも注意が必要です。特に夜間は、強盗事件等の犯罪被害に遭う可能性が高く、また、女性に対するセクシャル・ハラスメント被害も報告されていますので、引き続き御注意いただきますようお願いします。また、発生件数は少なくなっていますが、コロナ禍を起因とした、政府の政策に抗議するデモ等も散見されておりますので、万が一の不測の事態に巻き込まれないよう十分に注意して下さい。
 
 上記のとおり感染状況が厳しい中ですが、私自身は、大使としての活動を徐々に開始しております。昨年中に、サファディ副首相兼外務・移民大臣やシュライデ計画・国際協力大臣を始めとする政府要人を表敬し、着任挨拶を行うと共に、今後の日ヨルダン関係の発展に向け有意義な議論を行うことが出来ました。また、12月18日には、対ヨルダン米ドル建て借款「ビジネス環境、雇用及び財政持続可能性に関する改革のための開発政策借款」の第3トランシェ1億ドルをヨルダン政府に供与しました。新型コロナウイルスの影響でヨルダンの経済、財政が打撃を受けている中、日本からの支援がヨルダンを支え、ヨルダンの社会や地域の安定に繋がることを期待しております。更に文化面でも、1月9日に、大使館とヨルダン大学の共催によりオンライン形式で日本語弁論大会を開催予定であり、準備を進めております。本年は新型コロナウイルスの状況を踏まえつつ、多面的な日ヨルダン関係の発展に努めていく所存です。
 
 最後に、厳しい状況が続きますが、在留邦人の皆様の御健勝と御多幸を祈念し、新年の御挨拶とさせていただきます。近いうちに皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。

 
2021年1月1日
駐ヨルダン特命全権大使 嶋﨑 郁


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