嶋﨑郁特命全権大使 ご挨拶

令和4年1月1日
嶋﨑大使
 明けましておめでとうございます。
 
 昨年秋のオミクロン株の出現により、新型コロナウイルス感染症の影響が更に長期化することが懸念されており、ヨルダンに在住されている皆様におかれましても、様々な不自由・御不便に直面されていることと存じます。当館としましては、引き続きヨルダン国内の感染状況や政府による規制の詳細等につき、領事メールや当館HPを通じて広報してまいりますので、そちらも御参照いただきつつ、本年も御健康に留意してお過ごし下さいますようお願いいたします。
 
 昨2021年は、ハシミテ王家のヨルダン統治開始から100周年に当たる記念すべき年でしたが、私自身、感染対策に万全を期しつつ、多くのヨルダン王族や政府閣僚を始めとする当地要人と会談し、日・ヨルダン関係の一層の深化に取り組んでまいりました。また、両国外相レベルでは、2021年5月に茂木外務大臣(当時)とサファディ・ヨルダン副首相兼外務・移民相との電話会談、同年8月には茂木外務大臣(当時)によるヨルダン訪問、さらに同年12月には林外務大臣とサファディ副首相兼外務・移民相との電話会談が行われ、両国の戦略的パートナーシップと一層の緊密な連携が改めて確認されました。

 また、経済協力分野では、我が国からヨルダンに対しては、引き続き開発支援を進める一方で、新型コロナを踏まえ、感染拡大防止のための支援を実施し、12月28日には新型コロナウイルス危機対応のための緊急支援円借款1億ドルがディスバースされました。また、世界第2位の難民ホスト国を支えるべく、人道支援分野でも多くの支援を行いました。

 さらに、文化・学術分野では、コロナ禍であることをチャンスと捉え、オンラインを最大限活用し、例年実施している日本語弁論大会のほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得て、はやぶさ2プロジェクトに関するオンライン・セミナーを実施する等、積極的に取り組んでまいりました。
 
 東京オリンピック・パラリンピックに際しては、IOC理事を務められるファイサル王子殿下が訪日し、約3週間滞在されました。各国の精鋭が集う中で、ヨルダン選手の活躍は実に印象的であり、日本のホスピタリティーも高く評価されました。
 
 ヨルダンは中東地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており、かつ非常に親日的な友好国です。当館としましては、2022年も、新型コロナの状況を踏まえつつ、多面的な日ヨルダン関係の発展に努めていく所存です。また、在留邦人の皆様へのきめ細やかな情報提供と適切なサービスに傾注してまいります。
 
 結びに、厳しい状況が続きますが、在留邦人の皆様の御健勝と御多幸を祈念し、新年の御挨拶とさせていただきます。
 
2022年1月1日
駐ヨルダン日本国特命全権大使 嶋﨑 郁