在外公館ニュース(2002年4月号)
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2002年4月
一度でもプラネタリウムに行ったことのある人ならば、その不思議な空間が持つ素晴らしさにいろいろな思い出があることでしょう。
首都アンマンにあるハヤ文化センターには、国内にただひとつのプラネタリウムがあります。このプラネタリウム、実は1989年に日本の文化無償協力で贈られたものです。天球ドームの直系は6.5m。日本で見るものに比べればはるかに小さいのですが、多い日には千人もの子ども達が課外授業で訪れ、ヨルダンの理科教育の発展に大きく役立っています。また、航空会社が寄付した旅客機のシートを利用した座席も、草の根無償資金協力によってドームの形に合った専用の椅子に入れ替えられ、ますます利用し易い施設になりました。
ヨルダンは、一般に湿気が少ないことから光の屈折率が低く素晴らしい星空を望むことができる場所と言われており、世界の天文ファンにとっても憧れの土地です。しかし、住民のほとんどが明るい街の光の下で暮らすアンマンでは、現地の人にとってもこの素晴らしい星空を眺める機会は意外と少ないのです。子ども達は、このプラネタリウムで満天の星を見ながら職員の手作りスライドで星の成り立ちや宇宙開発史の勉強をしています。
このプラネタリウムが10年以上も休む間もなく動いてきた陰には、ハヤ文化センターの職員とそこに派遣された代々の青年海外協力隊員の献身的な努力があります。その結果、現在2代目の現地スタッフがプログラムを切り盛りする中で、独自制作番組を上映できるまでになりました。また、最近では環境問題を扱ったスライドショーも制作されています。この小さなドームに映し出される世界を通じて科学に興味をもった子ども達が、いつかヨルダンの将来を担う人材に育つよう願って止みません。
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