柳秀直特命全権大使 ご挨拶

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ヨルダン在住の皆様、如何お過ごしでしょうか。
昨年12月に着任してから三ヶ月以上が経ちましたところ、最初のご挨拶を掲載した12月17日以降の私の活動について、ご報告させて頂きます。

1.河野外務大臣の訪問
昨年12月26日には河野外務大臣が昼過ぎにパレスチナからキング=フセイン橋を通ってヨルダンに入りアンマンに立ち寄られ、サファディ外相、ムルキー首相と会談を行い、夕刻、オマーンに向けて空港を出発しました。河野大臣は既に9月にヨルダンを訪問されており、それから三ヶ月しか経っていない中、約半日の慌ただしい日程をこなされました。

2.経済協力関係
(1)難民キャンプ訪問
ヨルダンはこれまでも、パレスチナ難民、イラク難民などを受け入れてきましたが、シリアの内戦が勃発して以降、シリア難民を約130万人受け入れています(UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)登録難民数は約65万人)。そのため、UNHCRはヨルダン国内に4つの難民キャンプを運営しており、多くの国際機関がそこで難民支援に従事しており、日本政府はそれらの国際機関に多くの資金援助を行っています(平成28年度で3,250万ドル、29年度で1,740万ドル)。私は1月初めにはアンマンの北東約1時間半のところにあるザータリ・キャンプ(約8万人を収容)を訪れ、日本のNGO、UNICEF、UN・WOMENのプロジェクトを視察し、また、2月半ばにはアンマンの東1時間半のところにあるアズラック・キャンプ(約5万人)を訪問し、UN・WOMENのプロジェクトの開所式に出席すると共に、UNICEF、UNFPAのプロジェクトを視察し、日本政府が資金拠出したプロジェクトを中心に見てまいりました。
また、ザルカ県でIOM(国際移住機関)が日本のNGOと共同で、町中で暮らすシリア難民の女性にクーポンを支給する事業を視察してきました。
(2)草の根・人間の安全保障無償
これまでアンマン市内の視覚障害者支援団体への機材供与案件、北部イルビッド県のパレスチナ難民キャンプのクリニックへの医療機材供与案件、南部タッフィーレ県の幼稚園への通学用バスの供与案件について、それぞれ贈与契約書の署名式に出席し、また、アンマンの東にあるザルカ県の人道援助NGOに援助物資倉庫用の機材の引き渡し式に出席してきました。

3.要人訪問
国王陛下への信任状奉呈後、フセイン皇太子殿下、エル・ハッサン王子、ファイサル王子、バスマ王女、ガーズィ王子、ミルアド王子、アリー王子などの王室関係者、及びタラーウネ王宮府長官、ハッサン国王室長などの王宮府幹部に表敬させて頂く機会を得ました。
議会関係者としてはアル=ファイーズ上院議長、タラーウネ下院議長に、伊達参議院議長訪問の際にお目にかかっているものの、改めて表敬させて頂きました。また、上院のヨルダン日本友好議連との意見交換会にも出席しました。政府関係では、サファディ外務大臣、ファーフーリ計画・国際協力大臣、マルハス財務大臣、モーマニ情報大臣、シェハダ投資委員会委員長、ハラブシェ・エネルギー資源大臣、クダー産業貿易大臣,アル・ファイーズ環境大臣,マスリ交通・自治大臣などに表敬させて頂きました。
経済界ではムラド・アンマン商業会議所会頭、アル=カバリティ・ヨルダン商業会議所会頭、アル=ホムジ・アンマン工業会議所会頭に表敬しました。すべての方から異口同音に、ヨルダンと日本の間ではヨルダン王室と日本の皇室の間の緊密な関係があること、更に,日本は様々な支援を通じてヨルダンを支えてきてくれたことに感謝している、引き続き良好な関係を維持していきたいという暖かい言葉を頂きました。

4.その他
(1)在留邦人の皆様との関わり
1月に、数年ぶりに新年賀詞交換会を開催させて頂き,大勢の方にご出席頂きました。また、日本語補習校を訪問した他、運営委員、保護者、講師の方などと意見交換の機会を持たせて頂きました。
(2)国際機関との関わり
当地の多くの国際機関の事務所長とお目にかかったほか、3月に当地国際機関の代表と邦人職員の方をお招きするレセプションを開催しました。
(3)女子サッカーアジア選手権
4月にはヨルダンで女子サッカーのアジア選手権が開催されます。この大会は、来年フランスで行われるワールドカップの予選も兼ねており、日本代表の試合は日本でも中継されると伺っています。なでしこジャパンの活躍に期待しましょう。

5.安全の問題
最後に安全の問題について,触れさせて頂きます。幸い、ヨルダンでは昨年は犠牲者を伴うテロ事件は発生しませんでしたが、ISILは支配領域を失ったとは言え、いまだ根絶されたわけではありませんので、引き続きテロのリスクがあります。人が多く集まる場所はできるだけ避け、行く必要がある場合には,常に周囲に対する注意を怠らないようにお願いいたします。また、厳しい経済状況のためか、最近銀行強盗等が増加しており,一般の治安もやや悪化してきているようですので、ヨルダンは中東の中では比較的安全なところではありますが、皆様におかれましてはくれぐれも注意を怠らないよう,特に、深夜の時間帯の外出はできるだけ避けるよう、よろしくお願いいたします。

                                                            駐ヨルダン特命全権大使 柳 秀直



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